立山・黒部旅行
もう一ヶ月以上経ってしまいましたが、7月中頃に、富山に行ってきました。目的地は立山。ライチョウを撮るためです。
ライチョウは6月頃に縄張り争いをしていて、一番よく見られるそうです。つがいになって、メスが抱卵すると、オスは縄張り争いもせず、メスとも離れてしまい単独行動になるとのこと。
なので、7月中旬はそんなに見られる確率は高くはないようなのですが、運が良ければ孵った雛が見れるかもしれないという、良いのか悪いのか微妙な時期。まぁ、2泊もすれば見れるだろう...と思い行ってきました。
ライチョウ目撃情報みたいなサイトもあるので、参考にすると良いかもしれません(全ての目撃情報が集まっているわけではないでしょうが)。
上野駅を6時22分の新幹線に乗り富山駅まで、北陸新幹線で2時間ほどで到着。
富山地方電鉄に乗り換えますが、富山地方電鉄の駅で、富山駅から立山の室堂までの切符(電車、ケーブルカー、バスを含む)が買えます。
僕は、弥陀ヶ原で宿泊するので、弥陀ヶ原まで買いましたが、途中下車可能とのことなので、室堂まで買ったほうが安かったのかもしれません。
駅弁を買おうかと思ったのですが、時間が早すぎてどこも空いていませんでした。売店は開いてたんですが、駅弁は売ってない。仕方がないので、すぐ近くのドトールでサンドイッチを買いました。
富山からは「特急うなづき」というのに乗りましたが、車両は昔の京阪電車の車両。大阪から京都の大学行ってた頃によく乗ってたやつじゃなかろうか。懐かしい。Wikipediaによると、京阪から譲り受けたそうです。ちなみに2階建ての車両があるのですが、2階部分は別料金を払う必要が有ります。トイレはありません。
1時間弱で立山まで着きますが、そこからケーブルカーに乗って、美女平まで行きます。知りませんでしたが、美女平はバードウォッチングのスポットだそうです。20分ほど時間があったので、ちょっと回ってみましたが、声は聞こえど、姿は見えずでした。春に行ってみたいですね。
美女平からはバスで弥陀ヶ原まで向かいます。途中で猿が道端で寛いでるのが見えました。10匹くらい居たかも?
美女平からのバスはところどころに観光説明があって、見どころではゆっくり走ったり、座ったまま見えるように角度を調整しながら運転したりしてくれます。称名滝という落差350mの滝が見える場所とか、杉の大木のところとかで説明がありました。下の写真は称名滝。
弥陀ヶ原についたのは、11時前くらい。道を挟んで宿泊施設が2つ、弥陀ヶ原ホテルと立山荘があります。僕は、立山荘での宿泊でしたが、まだチェックインの時間ではないので、荷物を一部預けてバス停へ戻り、室堂と弥陀ヶ原の往復のバスのチケットを購入。往復だと100円安い。ちなみに、室堂行きのバスは全て予約制になっているので、時間を指定して予め買っておく必要があります。
11時くらいのバスで室堂へ。途中、天狗平から室堂に向かう途中で、雪の大谷というところがありました。よく電車でみかけるポスターで、とても高い雪の壁の間をバスが通ってるのがありますが、あれです。というか、これです。
今年は雪が多くて、19mくらいまで積もったとのことで、7月時点でも片側だけですが2m以上くらいは余裕で残ってました。
室堂のバスターミナルにつくと、レストランとか立ち食い蕎麦屋がありました。朝からサンドイッチしか食べてなかったので、早めのお昼ごはんに山菜そばを食べました。
バスターミナルから階段を登って外に出ます。事前に宿の人に雷鳥がどこで見られるか聞いていたのですが、ミクリガ池の周りでよく見られるらしいとのことでした。また、ハイマツの生えているところにいるとも。
というわけで、ミクリガ池を目指しました。室堂で標高2,500mくらいなのですが、多少のアップダウンはありますが、ゆっくり歩けばそんなにきつい道ではないと思います。僕は早歩きのせいか、空気が薄いのか、移動で疲れてたのか、体力不足か、それら全部か、結構息切れしてました。
ところで、事前に調べたところによると、室堂で見られる鳥の種類は少ないようです。標高が高いせいだと思いますが、雷鳥以外だと、イワツバメ、カヤクグリ、ホシガラス、イワヒバリ、まぁ、見れないだろうけど、イヌワシとか。
バスターミナル付近をイワツバメがよく飛んでいましたが、ちょっと遠かったです。最初にまともに見られたのはカヤクグリ。あんまり人を恐れないのか、目の前に飛んできて、結構近くで鈴のような囀りをしてくれました。その後も何度か見ましたが、近くまで来たのは最初だけでした。
ミクリガ池の上にはまだ雪が塊で残っていました。池の水は青く澄んでいて、綺麗でした。
下は3日目の写真ですが、向かいのミドリガ池。
ちなみに、同じ写真をGoogle Photosが勝手にフィルターかけたもの。なんと言うか、いい感じにしますね。
目当てのライチョウはというと...ミクリガ池を2週くらいしていましたが、見つからず。疲れてしまっていたので、ベンチがあったので座って休憩していたら、「いる、いる」と、声が。
行ってみると...いました。
目の上が赤いので、これはオスのライチョウです。残念ながらピントが甘い。
この後、ハイマツの影の方へ移動してしまい。僕の位置からだと完全に死角に。全身写せなかったので、しばらく待っていたんですが、なかなか出てこないので諦めました。途中ちらっと顔だけ出したりはしてくれました。
その後は、閻魔平というところに行き、そこから雷鳥沢を歩くことにしました。この辺は火山ガスがけっこう出ているらしく、風向きによっては、濡らしたタオルを口に当てて通るようになどと注意事項が書かれていました。風向きを知るためにところどころ筒状の凧が吊るされていました。
ちなみに、地獄谷というところがあるんですが、昔は歩けたらしいのですが、今は火山活動が活発になっている影響で、通行禁止になっています。下の写真が望遠で撮った地獄谷。
ほぼ無風でしたので、特に何もせず雷鳥沢を歩いていましたが、ライチョウは見かけず。しばらく歩いていると、途中でかなり強い雨に振られてしまいました。雨をしのげるところまで足早に歩きましたが、到着前にだいぶ小雨に。ただ、持ってきた雨具は上半身だけだったので、ズボンはずぶ濡れになってしまいました。
いったん、バスターミナルに戻り、服を乾かすことにしましたが、15時も過ぎていたので、その日はそのまま16時のバスで帰ることにしました(最終は17時)。ライチョウは天気が悪い方が現れるらしいですけどね。
夕方になって気温が下がってきたせいか、バスがかなり寒く、濡れた服でバスの中にいるのが辛かったです。ホテルに着いたら、すぐに風呂に入りました。温泉ではありませんでしたが、結構広くて綺麗でした。
その後、18時にご飯の後、19時半からナチュラリストによる自然解説みたいなのがありましたが、諸都合によりその日はそのまま深夜まで仕事してました。途中、宿の人に夕焼けが綺麗だよと言われたので、それだけは撮りました。星空も綺麗だったらしいですが、仕事してました。
一段落ついた(結局ついてなかったけど)のが、夜明け前くらいだったので、鳥が見れるかなーと30分くらいうろうろしてましたが、アカハラがいたくらい。ウグイスのは鳴き声は聞こえども...って感じでした。朝方の空は綺麗でした。
その後、10時過ぎまで寝てしまった後、深夜に書いたプログラムがなんかミスってたのを修正したりで、昼下がりまでに結局宿の中でした。
仕事が終わった後は、ランチ...の時間はとっくに終わっていたので、ロビーで売られていたカロリーメイトを昼食代わりにして、ホテルの横から行ける立山カルデラの展望台へ向かいました。展望台からカルデラを一望できる...はずなんですが、あいにく霧がかなりひどくて、ほとんど何も見えません。しばらく待っていると、ところどころ霧が晴れたりはしたものの、終始いまいちでした。
仕方がないので、戻って弥陀ヶ原を散策。かなり広い範囲で木道が整備されてあるので、良い散歩になりました。時間があえばガイドと一緒に歩くことも出来るようです。晴れていれば立山連峰が一望できるんでしょうが、あいにく雲が多く、いまいちでした。代わりといってはなんですが、ところどころ高山植物の花が見られました。いずれも小さくてかわいいですね。下の写真はチングルマ。
こちらはイワイチョウ。
弥陀ヶ原では、ところどころガキタという水たまりが見えますが、標高の高いところの湿原特有のものらしいです。
鳥はあまり見られませんでしたが、ウグイスが木の天辺で全力で鳴いているのが見られました。ウグイスはヤブの中にいることが多いのですが、縄張りを主張している頃は上のほうで鳴くようです。
1時間ほど歩いてましたが、雲も出てきたところで、ホテルに戻りました。この日も夕食後のナチュラリストによる自然解説があるとのことでしたが、少し時間があったので、ロビーで山の雑誌を見て、暇を潰していました。
雑誌には立山の雄山の登山コースの説明があって、往復4時間で割と軽装でも行けると書いてありました。宿の人に聞いてみると、スニーカーで登るような人もいるとのこと。一応登山靴で来ていることだし、行ってみようかなという気になりました。
その後、ナチュラリストの自然説明に参加しましたが、ビデオを2本見て、時々コメントを入れてくる感じでした。ちょっと期待ハズレでしたが、ビデオ自体は良かったです。
1本目は富山の砂防についての話でした。霧で全然見えなかった立山カルデラですが、かなりの土砂が流出するところで、江戸時代には富山平野にまで流れ込んだとかなんとか。
今も、富山平野にまで流れこむほどの量の土砂があるとのことですが、それを防ぐために、砂防ダムが作られたとのことでした。
富山の砂防をユネスコの世界文化遺産に登録しようとしている...という、富山県のPRビデオでした。ちなみに年に数回、砂防ダムのところに行ける機会があるそうです。行ってみたら面白いかもですね。
2本目は立山の絶景のビデオでした。他の季節や別の場所にも行きたくなりましたが、気軽にいけるような場所ではないところもあるんだろうなー。
室堂行きのバスでは、ヘルメット、ピッケルとかを持ってるガチの登山者も結構みかけました。
翌日は、朝食後に再度立山カルデラの展望台へ。かなり天気が良かったので、一望できました。
望遠で寄ると、砂防ダムの工事をしているっぽいものも見えました。
その後、朝一のバスで室堂に行き、ミクリガ池を通って閻魔平へ。昨夜のナチュラリスト解説のときに、他の宿泊客の方が、閻魔平でライチョウを5匹見たという話をしていたのでそこを目指してみたわけです。
2人ほどカメラを持った人がいて、「さっきまで居たんだけど、行っちゃったよ」とのことでした。ちょっとだけ待ってみましたが、現れないので、そのまま雄山へ。
まず、一の越山荘を目指します。雪のところは滑りますが、一の越山荘までは割とさくっと行けました。景色はとても良いですね。
一の越山荘では、パンとか飲み物を売っています。山荘の人に山頂までどれくらいかかるかを聞いたところ、ゆっくり行っても50分くらいとのこと。後もうちょっとだなーと登り始めました。
一の越山荘から雄山山頂までは、雪はありませんが、ずっと岩場になります。道はそこまで狭くはないですが、結構な人がいて、ちょっと渋滞気味。この時期はまだピークではないはずなので、ピーク時は大変そう。
景色が綺麗だったので、写真を撮っていましたが、ちょっと足がすくみました。疲れてたせいかもしれませんが。落ちたら大怪我どころじゃないなというところなので。下の写真の右奥に見えるのが一の越山荘。花はミヤマキンバイですかね。わかりません。
こんな高所で岩場でも花は咲くものですね。下の写真はツガザクラ。
途中写真撮ったりしてたせいもあると思いますが、結局、山頂まで1時間20分くらいかかりました。しんどかった。下は山頂にある社務所前あたりからの写真。
社務所ではお守りやら、カップラーメンやら、記念品やらを売ってました。甘いものを飲みたかったのでココアを注文。カップココアだったので、おしることか豚汁のが良かったかなーとか思ったけど、それらも全部インスタントなもののようでした。まぁ、標高3,000mのところに、そんなものは期待できませんね。
雄山の頂上といいましたが、三角点はそこなんですが、実は雄山の一番上には小さい社みたいなのがあり、そこが本当の頂上です。先ほどの写真の右上に写っているものがそれです。行くには500円かかりますが、山頂で祈祷してくれます。かなりの人が訪れるだろうから、結構もうかりそうだなーなどと罰当たりなことを思ってしまいましたが。しかしよくあんなところに建物を建てますね。
雄山から他の山を縦走して室堂へ戻るルートもあるのですが、僕は元の道を下りました。下の写真は社務所に書かれていた登山コース。
下りは足場がすべりますが、割とさくさく行けました。12:30に下り始めて、13:10くらいには、一の越山荘につきました。
お腹が減っていたので、山荘でジャムパンを購入。食べていると、視界に鳥が見えて、正面の岩に止まりました。おっと思って、望遠レンズをセットしている間にどこかに行ってしまいました。
ただ、鳴き声は聞こえるので、しばらく待っていたら、山荘の近くの岩に止まった後、山荘に横付けされてある錆びついたタンクの上の水たまりに水浴びにきました。イワヒバリです。
頭突っ込んだりも。
結構長いとこ、居てくれたので、いっぱい撮れましたが、いかんせん錆びついたタンクの上ってのが微妙...。最後に、岩場に戻ってくれたんで、それを収めて、一の越山荘を後にしました。でも、なんかピントが甘い。
一の越山荘からの下りは、雪がすべって歩きにくかったですが、割とさくさく戻れました。アイゼンがあれば楽でしょうね。たまに付けている人を見かけました。
閻魔平を経由して、バスターミナルに向かっていると、カメラを持った方が2人。遊歩道の端でライチョウが砂浴びをしていたというのを聞きましたが、姿は見えず。砂浴びの痕跡に羽だけが残っていました。
あたりをしばらくちらちらと見てみましたが、何も見えないので、そのまま閻魔平へ向かうと、結構な人だかりが。もしかしてと思って行くと、また、「さっきまで居たんだけど...」の声が...。またかーと思っていたら、姿が見えました。メスです。
全身も撮れました。
前々日に見たオスと違って、わりとのんびりそのへんの葉っぱを食べながら移動していました。全身写せて満足したので、そのままバスターミナルへ。
室堂のバスターミナルについて、ロッカーに預けていた荷物を取り出して、それをゆうパックで自宅へ送ろうと思ってたのですが、「14:45にトロリーバスが出発...」というアナウンスが聞こえて、時計を見ると、14:40。
送っている時間もないので、荷物を持ったままトロリーバスに乗ることに。
そのまま長野経由で帰るつもりだったので、扇沢というところまでのチケットを買いました。トロリーバスというのは、電車みたいに、送電線から電気が供給されて電気で走るバスです。
室堂から大観峰まではひたすらトンネルの中を走ります。途中、トンネルの中に青い灯りが付いているところがあるのですが、破砕帯があったところだそうです。当時、破砕帯からは相当量の水が噴出して難工事だったとのこと(今も水をそらしているだけなので、水は出続けている)。そんなに距離はないように思ったのですが、そこを通すのに、13ヶ月くらいかかったとかなんとか。
大観峰につくと、そこから黒部平までケーブルカーなのですが、大観峰駅の上に展望台があるということなので、一本後のに乗ることにして、展望台に登りました。いい景色でしたが、霧がでてしまっていましたね。
イワツバメがすごいいて、景色よりもそっちが気になりました。でも、ツバメは速すぎて、写真に撮るのは難しい。下の写真のゴミみたいな黒いのは全部イワツバメです。
その後、大観峰から黒部平へ。黒部平は散策とか出来そうでしたが、時間がないのでそのまま急いで乗り継いで黒部ダムへ。この時期、黒部ダムは朝から17時まで観光放水というのをやっています。なかなかの大迫力。
そして、ここにもイワツバメが大量に。ダムの壁面に貼り付いていたので、容易に撮ることが出来ました。ただ、遠い。
飛んでるところも一応。
黒部ダムには、ダムを見る場所が上と下と二箇所あるのですが、上の展望台はかなり高いところにあるので、その頃疲れきっていた僕には無理と判断して諦めました。下からはだいぶ近いので大迫力で見ることが出来ます。
黒部ダムから、またトロリーバスに乗って扇沢まで。扇沢からはバスで長野駅まで2時間弱でした。
かなり疲れていたので、なんとなく乗ってみたかったグランクラスに乗って、長野から上野まで帰りました。事前に調べたところによると、座席が良いだけではなく、軽食が出て、フリードリンク、通常より6000円くらい高い。ということで、フリードリンク10杯くらいのめば、まぁ、良いんじゃないだろうかとかいう元が取れてるのか取れてないのかよくわからない計算で乗りました。
グランクラスの席はかなり快適。リクライニングが、背面、脚、座面と自由に可能。隣の人との間に仕切りが付いていてます。まぁ、乗ってる人がそもそも4人くらいしかいなかったので、隣に人はいませんでしたけどね。
乗務員を呼ぶボタンを押して、フリードリンクを頼めるんですが、グラスが割と小さめで、何度も呼ぶのが気が引けてしまいました。日に焼け過ぎたせいか、喉がかわいて仕方なかった。たまに乗務員の方から聞きに来てくれることがあったのですが、そんなにしょっちゅう来てくれるわけではないので。
軽食は和軽食とサンドイッチがあるのですが、和軽食を頼みました。フリードリンクはお酒もありましたが、疲れている時にアルコールは入れたくなかったのでソフトドリンクのみを頼みました。ハーブティなんかもありました。後、おやつとして、アラレとパウンドケーキも付いてきました。いずれも美味しかったです。
自宅に帰ってから服を脱ぐと、肌が露出していた部分がかなりの日焼け。黒部ダムあたりからだいぶ痛くなっていたので分かってはいたのですが、思ったよりひどかったです。数日くらいは痛かったし、2週間くらいたってもかゆいし、1ヶ月以上たっても肌の色は元には戻りませんね。次行く時は暑くても肌を露出しないようにして、日焼け止めも忘れないようにしないと。
今回、ライチョウが目的だったので、帰りのルートは何も決めてなかったのですが、割と順調に動けて運が良かったなーと思いました。次は春にでも行って、冬毛のライチョウと雪の大谷を見てみたいですね。秋も紅葉が綺麗なようなので、秋でも良いなー。また行ってみたいです。